E04  エネルギー資源



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技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。

問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。

  技術士第一次試験の問題     



問題番号が赤字のものは、ボーナス問題

H26年 Ⅰ-5-3   H26年 Ⅰ-5-4   H24年 Ⅰ-5-2   H16年 Ⅰ-5-1   H16年 Ⅰ-5-2

同じ問題

H26年 Ⅰ-5-4 と H16年 Ⅰ-5-2


H24年 Ⅰ-5-2 と H16年 Ⅰ-5-1



H26年 Ⅰ-5-3 

正答: ⑤

(解答)

買取対象の再生可能エネルギー源には、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの5種類が含まれる。

買取価格は、経済産業大臣により、毎年度、定められる。

電気の使用者は、供給された電気の量に応じた賦課金を請求される。

再生可能エネルギー導入量の地域差による事業者間の費用負担の不均衡を調整する仕組みがある。

「電気事業者は、再生可能エネルギーの買取のための接続を拒否することはできない。」は誤り。過剰な電力を買い取ることが難しい場合(再生可能エネルギーの買取義務を変更、小売電気事業者に上限を設定、2015年7月
電気事業者が適切なサービスを利用者に提供できなくなるおそれがある場合(2014年の九州電力のケース)。



H26年 Ⅰ-5-4

正答: ④ 

(解答)

エネルギー資源量として、石炭の確認埋蔵量は石油の確認埋蔵量より大きい。

第一次石油危機当時と比べて石油の確認埋蔵量は増大している。
20世紀末からの可採量の増大した理由には、原油価格の上昇と技術の向上がある。(石油、Wikipedia)

エネルギーの資源量として、石炭の確認埋蔵量は石油の確認埋蔵量よりも大きい。
石油、石炭、天然ガス、ウランの確認埋蔵量(2014年末、電気事業連合会) 石油 1兆7000億バレル(2300億トン)、石炭 8915億トン

海水中にはウランが1億トン以上溶けている。
海水1リットル中に3.2μg、海水量を掛けると44億トンとなる。

「100kmの受光面積を持つ太陽電池の年間発電量は、我が国の年間電力需要量よ大きい。」は誤り。
小さい。118km四方の面積が必要となります(参考)を参照のこと。

地球上の全植物の光合成により固定される太陽エネルギーを年間炭素純生産量でみると、人類の年間エネルギー所要量より大きい。

固定されるのが年間564億トン(炭素ベース)、消費が150億原油換算トン(炭素ベースに直すとこれよりは小さな値となります)


(参考)

国土3.6%の太陽電池が日本の電力消費をカバーする計算(科学技術のアネクドート)

「もし仮に、太陽光発電だけで日本の電力をまかなうとすると」といった議論がよくなされます。「狭い日本」といいますが、どのくらいの広さが必要になるのでしょうか。

『エネルギー白書』を参考にすると、2009年度に日本で使われたすべての電力量は、計算しておよそ「9331億キロワット時」となります。

この9331億キロワット時というエネルギーの量を補うためには、9331億キロワット時を発電する面積分の太陽電池が必要となります。

1ヘクタールの面積で、1年間におよそ「673000キロワット時」の電力をつくれることになります。日本で消費するすべての電力量をまかなうために必要な面積は1386478ヘクタール」ということになります。(※ 118km四方の面積です)


地球上の植物はどれだけ光合成を行っているか? 純一次生産力に関するメタ分析

陸上全体の純一次生産力として年間564億トン(炭素)という値が得られました。

1節 人類の歩みとエネルギー(資源エネルギー庁)

1.人類の歴史とエネルギー

【第111-1-1】 世界のエネルギー消費量と人口の推移

【第111-1-1】 世界のエネルギー消費量と人口の推移



H24年 Ⅰ-5-2 

正答: ➃ 

(解答)

石油、石炭、天然ガス、乾燥木材の発熱量は、石油をガソリン、石炭を無煙炭、天然ガスをメタンに読み変え、それぞれの1kg当たりの高発熱量を比較する。データは発熱量(Wikipedia)より、MJ/kg単位で順番に47.0、 27.0、 54.0、 15.0である。従って、単位重量当たりの発熱量は天然ガス>石油>石炭>乾燥木材と推測される。なお、高発熱量とは、燃焼ガスに含まれる水分が凝縮して液状の水となるときに放出される凝縮熱が加味された発熱量であり、水が水蒸気のままで存在する低発熱量よりも大きな値となる。


(参考)

 C+O     → CO+394kJ/mol   38kJ/g-炭素
 H+0.5O → HO+286kJ/mol  142kJ/g-水素

炭素と水素の燃焼熱を比較すると、単位重量当たりの、発熱量は水素が圧倒的に大きい。分子内に水素を多く持つ(水素含有率が高い)物質を燃焼させた時に、その単位重量当たり大きな発熱が期待できる。

天然ガス(主成分はCH)、石油(炭化水素としてC、n/m<4)、石炭(炭素としてC)、木材(セルロースとしてし示性式C(HO)、炭水化物骨格(グルコースで示されるC12、C(HO))が脱水縮合したもの、と考える。分子内に水素含有量が高いものの単位重量当たりの発熱量が高いので、発熱量は大きい順に、天然ガス、石油、石炭、木材であると予想される。

燃焼熱(Wikipedia)より抜粋

主な物質の燃焼熱 −ΔcHº
物質 化学式 式量 −ΔcHº / kJ mol−1 −ΔcHº / kJ g−1
炭素 C(s) 12.011 393.51 32.76
水素 H2(g) 2.0159 285.83 141.8
メタン CH4(g) 16.042 890.36 55.5
メタノール CH3OH(l) 32.042 725.7 22.6
グルコース C6H12O6(s) 180.156 2803.3 15.56


※ 示性式とは、有機化合物の特性を示すため,その分子式のうち特定官能基を明示した化学式。たとえば,エチルアルコールは C2H5OH と表わされる。分子の性質をさらによく示すには構造式があり,示性式は分子式と構造式の中間的性格をもっている。(コトバンク)



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