英国ロンドンに本部を置くシンクタンク、ニュー・エコノミックス・ファンデーション(新経済財団)が地球に存在する各国の幸福度を測る新たな指数としてハッピー・プラネット・インデックス(地球幸福度指数)を昨年導入した。その詳細はURLに譲るが、
http://www.happyplanetindex.org/
この指数では国の幸福度を伝統的な手法(たとえばGDP)で測るのではなく、(1)現在の消費や技術の発展、資源効率の予測、(2)生活満足度指標によってその国の住民の福利を評価、(3)国連開発計画が人間開発指数を算出する際に採用しているのと同じ体系の平均寿命、の3つを考慮する。
報告書(上記URL中に59ページものあり)によると、178カ国中でトップに位置づけられたのは南太平洋に浮かぶバヌアツ共和国である。平均寿命は68.8歳と長くはないが、生活満足度と生態系維持予測指標で高い得点をあげた。アジアの最上位国はベトナムの12位である。日本は95位と出遅れている。その原因の一つが、生態系維持予測指標は150位となっていることである。
地球幸福度指数=生活満足度×推定寿命/生態系維持予測指標
この指標を算出するに当たって、2つの事柄が気になる。一つは、世界の7万6千人超の人々の回答より導かれた結果であるので、統計的には有意性はあると考えられるが、質問表としては上記URL中にある英文バージョンしかまだ見つけ出していないので、国ごとに回答した人の年齢層や生活パターンに偏りが出ているのではないかと考えられること。これは日本を考えると、英語のWebを見に行く人はごく限られることからも想像できる。
もう一つは、この指標の構成要素として生活満足度が取り入れられているので、新経済財団の思惑通り、心の豊かさが結果に反映されているのではないかと言うことである。GDPあるいは一人当たりの所得が多い国でも上位に位置しているとは限らない。人の幸せは、案外近くに居る人との相対比較の上に成り立っているものかもしれない。
興味ある方は、上記URLを確認されたら示唆を得る部分も多いのではと考える。
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