16. 江戸時代の通貨は4進法  実に複雑な変動相場制貨幣体系を日本人は使いこなしていた

 2007年 4月28日掲載  2010年 1月10日再掲

 江戸時代の通貨体系が良くわかる図がありました。かつてイギリスは12進法を採用していました。使い慣れれば何の問題も無いのでしょうが、結局は10進数に落ち着くことになります。日本も明治維新を迎え、円と銭で表示される10進数の通貨体系となりました。

武士道のことが面白いほどわかる本(山本博文著、2003年8月、中経出版)p107より



貨幣制度については次のURLに紹介されています。
http://www.ops.dti.ne.jp/~makinoh2/edo/edo6.html

三貨制度
 金貨、銀貨、銅銭からなる3つの貨幣群からなっていました。
 大阪は銀貨が中心、江戸は金貨が中心でした。ただし、金貨本位制です。
※1両(37.5g)は重さの単位でもありました。
 銀貨は秤量貨幣と書いてあるように、金貨に対して変動相場制でした。
 両替商が、金貨と銀貨を天秤で釣り合わせます。大きい銀貨を「丁銀」、微調整用の小さなものを「豆板銀」(写真)と呼びます。1匁(もんめ)は3.75gですから五匁銀は18.75gです。



※銅銭4千枚〜1万枚(6千枚〜7千枚が妥当か?)で小判1両と交換できたようです。

※鎖国が解除された後、海外では銀に対する金の価値が高かったので、海外より銀を持ち込んで金に替え、その結果、多くの金が海外に持ちだされました。幕府は金貨の金含量を減らして金の海外への流失を防ごうとしました。

組成
 金貨は金と銀との合金で、金が多いほうが品位が高いとされていました。
 銀貨は、慶長銀では金2、銀792、銅206の割合でした。

貨幣価値
http://hirose-gawa.web.infoseek.co.jp/mame/kahei.html
(※再掲載時点でリンク切れとなっています)

江戸 上方
・一両・・・・・6万円 

・一分・・・・1万5千円

・二朱・・・・・7千5百円

・一貫文・・・1万円

・一さし・・・・千円

・四当銭・・・・50円

・一文(一銭)・・・10円

・一両・・・・・・・・6万円

・一貫目(1000匁)・・100万円

・一匁(10分)・・・・1000円

・一分(10厘)・・・・100円

・一厘(一文)・・・・10円







饅頭1こ 5文   甘酒 10文    
※幕末前に、金1両で米1石(1000合、150kg)が買えました。この量は1人が200日食べる量に相当します。なお、米100表が35石となります。




文書リストに戻る ホームに戻る