本当に不景気とは大変なものだ。CO2の排出量を雑巾を絞るように、絞れるだけ絞り切ったといわれている日本のCO2排出量が、前年度と比較して6%も減少したとのことである。
農業、工業、商業のどれを見ても、その生産量(生産の付加価値)はエネルギーに大きく依存している。エネルギーなくしては、日本人の生活レベルが大きく低下してくることは間違いない。
2008年度は、100年に1度といわれる大不況の期間が含まれているため、このような結果になった。さて、2009年度はどうか? 景気は緩やかに回復と政府発表にはあるが、この不況、そう簡単には抜けそうもない。仕事に就けない人や給与が下がった人の購買能力が下がっているので、モノ余り社会が出現し、結果的にモノの価格が下がり、そしてその結果、また失業率の向上や給与の低下がみられるという、デフレスパイラルに落ち込んでいく。
あと数年は、このスパイラルが続くとすると、CO2の排出量はさらに低下してもおかしくはない。鳩山首相の2020年までにCO2排出量を25%削減するという宣言も、案外現実味があるのかもしれない。
しかしながら、この25%も日本国内の排出量が純粋に25%下がるようでは、生活レベルが大きく低下することになると考えられる。この25%は日本の科学技術の結実であるCO2削減技術を海外に貸与すること、そして排出権を購入することにより達成されるべきターゲット数値である。
引用
温室効果ガスの総排出量が12億8600万tに ― 前年度から約6%減 2009年12月10日
2008年度における温室効果ガスの総排出量(速報値)
(クリックで拡大表示)2008年度における温室効果ガスの総排出量が12億8600万tとなり、前年度から6.2%減少したことが、環境省がこのほど公表した速報値によって明らかになった。それによると、総排出量は産業部門などでエネルギー需要が減少したことを受けて減少したが、京都議定書の基準年に比べると1.9%上回った。
同省は、2008年度の排出量が減少した原因として、金融危機の影響で年度後半に景気が急激に後退したことを受けて、産業部門などでエネルギー需要が減少したことなどをあげている。
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