49. 消火器用ガスがCO2(加圧式)から蓄圧式(N2)へと変化 爆発事故もこれで減らせると

 2011年 2月15日掲載  2014年 1月13日再掲


2009年9月に、大阪市で、消火器が爆発する事故があり子供がけがをした。この事故からのちも同様の事故が4件続き、消火器の安全性が見直されることとなった。その結果、従来の加圧式消火器に変えて、蓄圧式消火器が誕生した。

すでに、消火器大手のヤマトプロテック(東京)よりこの消火器が販売されている。初田製作所(大阪)も年内に蓄圧式へと全面移行の予定となっている。

下表を見ていただければおおよそのことがわかるが、少し補足をする。従来の加圧式では圧力が1.2MPa(12気圧)まで圧力が上がる。それに対して、加圧式の圧力は0.7〜0.98MPa(7〜9.8気圧)と低い目に抑えられている。圧力が10気圧を超えると高圧ガス保安法が適用されるので、9.8気圧という圧力となっている。

消火器に封入する窒素ガスは、リークテストのために実際は窒素とヘリウムの混合ガスとなっている。チェックでヘリウムが検知されれば、消火器に漏れ箇所があることがわかる。

  薬剤3kgに対して 加圧式 液化CO2 38g、蓄圧式 N2 10.88リットル+He 2.72リットル

従来の消火器の耐用年数は8年とされる。しかし現実には、その年限を超える消火器が放置され、爆発事故につながっている。近くにそのような消火器を見かけたときは、製造年月日を確認し、しかるべく処理する必要がある。人を怪我させないことは勿論のこと、自身が刑事責任の被告とならないためにも。



ヤマトプロテック ニュースリリース2010/09/13
より安全性の高い消火器への生産シフトについて






産経ニュース 1月24日

駐車場管理人を在宅起訴 大阪・東成消火器破裂事故

 大阪市東成区で平成21年9月、駐車場に放置されていた消火器が破裂し、当時小学4年の男子児童(11)の頭を直撃、一時重体となった事故で、大阪地検が駐車場管理人の男性(57)を業務上過失傷害罪で大阪地裁に在宅起訴していたことが分かった。

 事故は21年9月15日午後5時ごろ発生。同区中本の駐車場で、放置されていた消火器が破裂、遊んでいた近くに住む男子児童の頭部を直撃した。児童の父親が昨年2月に告訴し、東成署が過失傷害容疑で男性を書類送検していた。

 起訴状によると、男性は老朽化して破裂の可能性があった消火器を撤去したり、子供が消火器に触れることを防ぐなどの注意義務を怠った、としている。

 同様の事故が相次いだため、総務省消防庁は昨年7月、老朽化した消火器の回収の徹底をはじめ、使用期間や連絡先など重要事項の表示をメーカーに義務付ける安全対策を発表している




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