下図は、平成20年度版中小企業白書よりの、「食品購入時に重視している項目(アンケート結果)」である。この結果では、重視する項目は、価格、品質、安全性、原材料の生産地の順番となっている。
第3-3-37図 食品を購入する際に重視する項目
〜価格、品質、安全性が重視されている〜
この中で、価格と原材料の生産地は表示より、品質は消費者情報よりわかる。
原材料の生産地に関しては、ご存じのとおり、最近多くの産地偽装問題が起こっている。(枚挙にいとまがないし、多くの報道もなされている。)
農林水産省のホームページでは「食品表示」は次のようになっている。
http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/index.html
引用の始め
食品の表示は、消費者にとって、その食品の品質を判断し選択する上でなくてはならないものです。このため、一般消費者向けのすべての飲食料品について品質表示基準が定められています。
品質表示基準は、生鮮食品を対象とした生鮮食品品質表示基準と容器包装に入れられた加工食品を対象とした加工食品品質表示基準に大別されます。
生鮮食品であれば名称や原産地、加工食品であれば名称、原材料名、内容量、賞味期限又は消費期限、保存方法、製造者の氏名及び住所等を表示することが義務付けられています。また、玄米や精米、水産物、遺伝子組換え食品などの品質表示基準や、個別の食品に適用される品質表示基準が設けられています。
さらに、食品の表示はJAS法による表示のほか、食品衛生法に基づく期限表示やアレルギー表示等、計量法に基づく内容量表示など、様々な法律で定められており、JAS法以外の法律で表示しなければならない項目もあります。
引用の終わり
すべてが理路整然と組み立てられているようにお感じられるが、そうではないようだ。
冷凍食品原材料の生産地表示は出来ないのか
http://ameblo.jp/vin/entry-10100675840.html
ネット上にはこのような情報が非常に多くあり、食に対する関心の高さを示している。
アンケートの3番目の回答、「安全な食材を買います」。これは非常に難しい注文だ。どうしてそれが安全とわかるのか。食べてみて体調を崩せばそれが安全でなかったことが始めてわかる。食品に含まれる蓄積性の有害物質や発がん物質が将来の病気の原因となる場合には、何が原因であったかはほとんどわからなくなるであろう。
本日も、和菓子に有機リン系の殺虫剤が混入していたとのニュースがあった。食べるか食べないかは紙一重である。もう少し薄い濃度で殺虫剤が混入していれば、食べてしまってから異常を訴えていたに違いない。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20081118-OYS1T00431.htm
引用の始め
「もち吉」殺虫剤判明後も製造、福岡県指導で中止
福岡県直方市の米菓メーカー「もち吉」が販売した和菓子「えん餅」から、食品衛生法で定める基準の7000倍にあたる有機リン系殺虫剤の成分フェニトロチオンが検出された問題で、同社は、自主回収を始めてからも製造を続けていたことがわかった。
引用の終わり
中国産の餃子はもとより、粉ミルクも大きな問題になりました。日本からの米が中国で高値を付けているというニュースが話題となりましたが、今度はアサヒビールが中国に粉ミルクを輸出します。中国の都市部の食品の安全に、日本が一役買う時代がそこまで来ているようです。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081117AT1D1708U17112008.html
引用の始まり
アサヒビール、中国で粉ミルク販売 安全志向取り込む
アサヒビールは17日、全額出資子会社の和光堂を通じて中国で粉ミルクを発売すると発表した。全量を日本から輸出し、12月中旬から上海などの百貨店やスーパーなどで販売する。現地では高価格商品となるが、メラミン混入問題で中国の消費者にも安全志向が高まっており、受け入れられると判断した。
引用の終わり
日本の食物エネルギー自給率は39%とも40%ともいわれていますが、非常に低い値です。休耕田を用いて食材を栽培し、地産地消、さらに中国への輸出にも充てられるような、そんな安全で儲かる農業基地を日本国内に作ることはできないでしょうか? |
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