87. 廃棄牛乳のメタン発酵でボイラーを沸かす 牛乳からメタンの発想はどこから来たものでしょう

 2009年 3月 2日掲載  2014年 1月18日再掲


明治乳業・神奈川工場が、メタン発酵により廃棄牛乳よりメタンを取り出し、それを燃料としてボイラーを沸かしているとのニュースが、3月2日の日経産業新聞にあった。

その記事の要点は次の通り。
・通常であれば20日かかる発酵期間を4日に縮めた(これがブレークスルーのための技術)。
・工場では瓶詰め牛乳やヨーグルトを年間74000トン生産している。
・品質の問題、牛乳のふたのずれや包装の不備で年間1200トンの廃棄乳製品が生じる。
・いままでは廃棄業者にその全量を引き取ってもらっていた。
・いまは、廃棄乳製品の4割は飼料や肥料の原料としている。
・残りの6割はメタン発酵によりバイオガス(メタン)に変換している。
・廃乳製品1トンあたり65m3のバイオガス(メタン)を得ている。
 年間約47000m3のメタンガスとなる。
・この結果、原油換算16.8キロリットルの燃料削減ができている。
・不要となった産業廃棄物処理費用と加えると年間1300万円のコストダウンとなった。
・それに対して、発酵槽などの投資に8500万円と、7年で元が戻る計算となる。

メタン発酵というと、家畜の糞尿や残飯の発酵が一般的であったが、これを牛乳で実施しようと発想したところがすばらしい。この発酵により得られる燃料は決して多いとは言えないが、水分を多く含んだ乳製品を焼却するためには、追い足しの燃料が必要となる。発酵により得られるメタンガスと追い足しの燃料分がCO2の排出低減に寄与したこととなる。

参考URL
http://www.tech.nedo.go.jp/PDF/100011032.pdf




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