本日のニュースで、中国の米国国債保有高が57兆円と日本の保有高を抜き、世界一の保有高となった報じられていました。中国は多くを米国債などのドル資産で持つ外貨準備高が06年1月に日本を抜いて世界一となったのに続き、今回は米国国債でも日本を抜いたわけです。
米国債保有、中国が1位に 約57兆円で日本抜く
http://www.asahi.com/business/update/1119/TKY200811190050.html
米国の状況はオバマ大統領となっても数年間の混乱は続くものと考えますが、ヨーロッパのユーロも弱含んでいるため、まだしばらくはドル本位制に変化はないようです。
米国はすでに日本の頭越しに中国との友好を深めたいと考えているようです。数年後に、ドル本位制が確かな足音を立てて歩み始めた時、米国から中国と日本はどのように見えるでしょうか?
さて、このように国家としては金持ちの中国ですが、オリンピックの終了とともに始まった世界経済低迷の影響を大きく受け、さすがに中国にも不況の風が吹き始めているようです。
中小企業白書に中国の所得およびその周辺国との賃金の比較情報がありましたので抜粋します。中国においては都市部と農村部での所得格差が大きいため、この図からは単純に読み取ることは難しいと考えます。
しかし、都市部における所得格差や所得の伸びは参考になります。周辺国との賃金格差では中国は、マレーシアやタイ、フィリッピンよりも賃金が低いようです。中国では労働集約的な組み立て産業が主流で、付加価値が付きにくいこと、輸出が主流であるので製品を安価に抑えた結果付加価値が稼げず、それが給与に反映したこと、などが考えられます。
最近は中国国内にも不況の風が吹き、大学卒も就職先が少なくなっていると聞きます。どのように産業の高度化に舵を取っていくのか、興味あるところです。同時に、日本は中国を横目で睨みながら、どのように中国と差別化していくのか、こちらも身にせまって興味深いところです。
中小企業庁の中小企業白書2008年度版からの抜粋です。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h20/h20/index.html
第2-4-28図 中国の所得階層別平均所得(都市部)
〜中国の都市部の多くの所得階層で、平均所得が上昇している〜
第2-4-32図 中国における年間平均賃金の推移
〜中国では、近年平均賃金が上昇している〜(1元は14円)
第2-4-38図 中国・ベトナムとASEAN4の賃金比較
〜海外展開する中小企業現地法人においては、平均的にベトナムの賃金が安い〜
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