163. 「ザ・クリスタルボール」(ゴールドラット著)は小売業における必読の一冊である

 2009年12月12日掲載  2014年 3月 2日再掲


ゴールドラットはかのザ・ゴールで知られる。その著者の本がこの11月12日に出版されたタイトルに示した書である。小売業界のあるべき姿を、その根本原理から知るのによい内容となっている。ゴールドラット自身が「考え抜くこと」が大切としているので、本書は正に考え抜かれて寸分のスキもなくまとめられた書である。

クリスタルボールとはあの占いに用いる水晶玉のことである。商売はギャンブルではない! 他力本願でもない! 考え抜き、合理的にシステムを作り上げること。それがゴールドラットの主張である。

売上が不振な会社の社長や幹部、そして現場の方にとっても必読の一冊となるものと確信する。

内容は、すでに業界において多くの実績に裏付けられた手法に基づいているので説得力がある。
具体的な企業名は出てこないが、ユニクロのチェーン展開、FC展開やイトーヨーカ堂の地域集中出店がイメージされる。しかし、その形だけをまねても失敗する、その心とするところを学ばなければ到底成功には結びつかない。



サプライチェーン・マネジメントの利用
  機会損失の低減と売れ残りの防止
  利益率、回転率の向上

サプライヤーとのWIN−WINの関係構築

社員の独立制度(オーナーシップ)の利用

システムの本質は形でまねることはできない
  形だけまねようとするとヤケドする

考えること、それが水晶玉に勝つ方法




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