ホーキング博士も本書「たまたま」の帯に絶賛の言葉を記している書籍だ。日常にひそむ偶然が、具体的に、そして科学的に述べられている。非常に興味深い多くの内容を含んでいるので、329ページを一気に読み切った。
その中より、面白いと思った内容をひとつ紹介すると、
p68 マリリン・ヴォス・サヴァントは世界最高のIQ228を持つ女性。その彼女が次の質問に答えた。
「テレビのゲーム番組で、競技者が3つのドアの選択権を与えられるとします。1つのドアの後ろには車が、残りのドアの後ろにはヤギがいます。競技者が一つのドアを選択したあと、すべてのドアの後ろに何があるかを知っている司会者が、選ばれなかった2つのドアのうちの1つを開けます。そして競技者にこう言います。「開いていないもう1つのドアに選択をかえますか?」 選択を変更することは競技者にとって得策でしょうか?」
マリリンは「選択を変更したほうがよい。そうすると車が当たる確率が倍になるから。」と答えた。
この答えに対して、数学者を始め多くの読者から非難や失望の声が集中したとのことである。
その理由は、一つのドアに車の可能性がなくなったので、車は残り2つのドアのどちらかにあることになり、車のもらえる確率は50%になったというもの。IQ228の彼女に、こんな当たり前のことが分からないのかという非難と失望である。
でも現実にも、あるゲーム番組で、選択を変更したほうが車をもらえる確率が2倍となるとの結果となっている。
選択を変更しなければ車のもらえる確率は1/3(33%)、選択を変更すれば車のもらえる確率は2/3(67%)となる。
この問題の解説は、本書のp84〜88に記されている。
こちらのブログに解答を図解して示しているので、参照されたい。
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