184. 子どもはほめて育てる 新入社員もほめて育てる 自ら考える力を養わせる

 2009年12月19日掲載  2014年 3月 5日再掲


「三つ子の魂、百までも」というが、幼少時代に受けた教育はその人の人格形成にとって重要だ。人は生まれながらにして持った性格があると考えるのがここに示した格言であるが、その魂に磨きをかけるのが教育であろう。

「幼少時に子どもをほめることにより伸ばそう」との提案である。

    子どもとお約束をする
        ↓
    そのお約束が守れている状態にあることをほめる
        ↓
    約束を守れたことをほめる

このように書くと簡単だと感じられるが、このステップがうまく進むためには、お約束の内容が子どもの価値観(あるいは得られるご褒美)に合っていること、子どもが親に対して親が裏切ることがない(約束を必ず守る)という信頼感があることが重要である。また、子どもにたいする親の方針も首尾一貫していることが必要となる。


会社でも4月に新入社員を迎える。三つ子の魂に加え、学校生活で磨きをかけてきた?結果、人生に対峙する姿勢はかなり固まっている。この新入社員、あるいは若手社員を上司は導き、業績を上げるとともに育成もしていかなければならない。

先ほどの「ほめて育てる」と同じく、上司と部下の間で目標およびそのあるべき出来栄えを約束し、途中経過は両者で確認し、そして予定通り、あるいはそれ以上の成果があがるとその成果に応じて「ほめられる」というご褒美が与えられる。会社においても人材の能力を伸ばすためにはこのほめる(ちゃんと認識していますよ)というサインを新入社員に示すことは重要である。

時には苦言を呈することも必要であるが、基本は目標を示し、その目標への道程の中で新入社員自身が伸びていくのを手助けすることある。このことが、自ら考える社員を育成できることにもつながる。


                日本経済新聞 2009年12月19日






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