201. 心のこもった挨拶がお客様とのコミュニケーションの基本 売り上げは自然に伸びていく

 2009年12月29日掲載  2014年 4月15日再掲


成城石井の大久保恒夫社長の書かれた記事である。

商売をしていく上では、マネジメントが大切であるが、その前提として人と人との心のつながりが大切であるというお話である。従業員とお客様、そして従業員と従業員の心のつながりがなければお客様への良いサービスはできない。。その良いサービスをするための基本条件が挨拶である。わたしも同感である。

心の絆ができれば、会社のマネジメントはうまく回り、そしてお客様に信頼が得られる。心のこもった挨拶はお客様に信頼感を与える。しかし最も難しいのは、「心の奥底からあなたのことを思っていますよ」と挨拶できるかである。マクドナルドのようなファーストフード店におけるマニュアルで決められた挨拶は、それも一つの挨拶であろうが、大久保社長の求める挨拶は非常に深いものである。

形だけの挨拶は命令によりさせることができる。しかし浅いものである。「あなたのことを思っていますよ」という挨拶ができるようになるためには、社員の考え方そのものに関与していく必要があり、一朝一夕でできるものではない。

こんな挨拶ができる会社は、そして社員は素晴らしい!



以下部分引用

挨拶を強化すると何が起こるか?
「商品を売る」から「お客様に喜ばれる」へ
大久保 恒夫 成城石井社長

日経ビジネスオンライン  2009年12月28日
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20091221/211828/

 小売業とは、お客様に喜んでいただくのが仕事である。商品を売ることを通してお客様に喜んでいただくのであるが、商品を売るのが仕事だと考えると間違いを犯してしまう。あくまでもお客様に喜んでいただくのが本来の仕事であり、たまたま商品を売っているだけであると考えるべきである。

 これは小さな差のように見えて、大きな差であると思う。従業員全員がお客様に喜んでいただこうと考え、行動ができれば、その小売業は必ず成功するであろう。

 感じのいい売り場でお客様に気持ちよく買い物をしていただくのは、小売業の最低限の務めであると思っている。それさえも十分にできていない小売業が多いのが現実である。買い物は楽しいものでありたい。

 お客様と従業員が心を通じ合う場所が売り場であるべきだ。お客様に喜んでいただきたいという思いを伝え、心が通じ合う売り場でお客様に商品をお買い上げいただき、喜んでいただきたい。そして、心を通じ合うことの基本が挨拶である。挨拶は小売業の基本中の基本であり、最も大切なものなのである。

 挨拶で最も重要なのは、気持ちの問題である。挨拶は頭を下げ声を出すという作業ではなく、気持ちを伝えるコミュニケーションである。別に声を出さなくても、アイコンタクトと笑顔で気持ちが伝わるならそれで十分だ。要は本当にお客様に喜んでいただきたいという気持ちになっているかどうかである。楽しく買い物をしていただきたいという気持ちにならないと、感じのいい挨拶はできない。

 もう1つ大切なことは、挨拶の徹底はマネジメントレベルを上げる第1歩になるということである。挨拶は誰にでもできる。誰にでもできることの指示を出して、それができないということはマネジメントレベルが低いということである。マネジメントレベルが低ければ、どんな指示を出しても何もできない。現場で実行しないから、何の成果にもつながらない。

 小売業に奇策や魔法の杖はない。当たり前のことがきちんとできることが大切である。挨拶をすること、クリンリネスを徹底すること、品切れをなくすこと、こういった基本的なことを着実に実行するのが重要である。基本的な指示が、現場で実行されるようになれば、小売業の業績は良くなっていく。

 マネジメントレベルを上げ、指示が徹底され、現場で実行されることが経営改革につながっていく。その第1歩が挨拶の徹底なのである。

 私は、従業員にお客様に商品を売ろうとする接客をしないように指示を出している。接客は商品を売るためではなく、お客様に喜んでいただくためにやっている。接客をして、お客様に感じがいい店だと思っていただけたら、それで十分である。その店のファンになり、固定客になっていただける。これが接客の目的である。

 商品を売ろうとすると、どうしても売りつけようとする魂胆が見え隠れしてしまう。それが見えてしまうと、感じが悪い接客になる。その時に売り込んで商品が売れたとしても、感じが悪いと思われたら、そのお客様はもう来店されない。固定客が逃げてしまうことになる。






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