世界の経済は戦争により好況な時期を迎え、また戦争が多くの実用的な発明品を生み出す。
アメリカのバブル経済にが、2008年8月のリーマンショックではじけ散り、その後遺症は世界にまだ深い傷跡を残している。100年に一度の大不況ともいわれる。すでに1年を経過したが、全世界の失業率とデフレスパイラルの状況をみると、中国経済が立ち上がりつつあるといえども、あと3年は不況が継続するものと考えられ、日本の失業率もさらに大きくなる可能性がある。
前回の大恐慌は1929年に起こり、この時もアメリカ発。世界全体にその影響が及んだ。
Wikipediaによると
共和党のフーヴァー大統領は古典的経済学の信奉者であり、国内経済において自由放任政策を採った。その一方で1930年にはスムート・ホーリー法を定めて保護貿易政策を採り、世界各国の恐慌を悪化させた。1931年、オーストリア最大の銀行が倒産してヨーロッパ経済の更なる悪化が予想されたことに対しようやくフーヴァーモラトリアムと称される支払い猶予を行ったが、既に手遅れであり恐慌は拡大する一方だった。1932年後半から1933年春にかけてが恐慌のピークだったようで、恐慌発生直前と比べて株価は80%以上下落し、工業生産は平均で1/3以上低落、1200万人に達する失業者を生み出し、失業率は25%に達した。閉鎖された銀行は1万行に及び、1933年2月にはとうとう全銀行が業務を停止、社会主義革命の発生すら懸念された。こうした中、修正資本主義に基づいたニューディール政策を掲げて当選した民主党のフランクリン・ルーズヴェルト大統領は公約通りテネシー川流域開発公社を設立、更に農業調整法や全国産業復興法を制定し、更にラテンアメリカとの外交方針を以前の棍棒外交から善隣外交へ転換した。ただ、ニューディール政策は1930年代後半の景気回復を前に規模が縮小されるなどしたため、1930年代後半には再び危機的な状況となった。このため、同政策にどれほど効果があったかについては今日でも賛否両論がある。
結局アメリカは、中学や高校の教科書に記されてるニューディール政策により経済が活気を取り戻したのではなく、迫りくる第2次世界大戦に向けて軍需産業に力を入れ、その結果、経済が急激に回復し再び好景気が戻ることになった。
日本においても、戦後復興の端緒は1950年に勃発した朝鮮戦争であり、1965年に始まったベトナム戦争により弾みがついた。近隣諸国の戦争が日本経済を強くしたのである。
誰しも戦争がない世界を望むが、大国の政治家は必ずしもそれを望んでいないかもしれない。1.国民の関心を戦争に向けることにより国政が安定する、2.軍需産業の活況により失業率が低下し経済が活性化する、3.多くの新技術や発明が生まれ、その波及効果もあり国力の強化につながる、などがその理由である。
アメリカの歴史は戦争の歴史である。常にどこかで戦争をしていることが下図よりわかる。ソビエト時代にも多くの
代理戦争を戦った。そして、平和主義であったはずのオバマ大統領も結局は正義の?戦争に傾いている。
文明の進歩と戦争は相反するものではなく、パラドックスの関係にあるようである。実に多くの命を代償に科学技術が進歩してきた。
もし、日本の近くの国で戦争が勃発すれば、それに関係する軍需工場やそこに原材料を供給する産業が活気づき、今の日本の不況などはあっという間に解決することになるであろう。きっと、民主党の一部の議員はそのような状況を神風として願っていることだろう。神風が吹けば、今の普天間問題も棚上げとなり、日米関係も一挙に好転することになる。
このような考え方は間違っているだろうか?
まんが 現代史 アメリカが戦争をやめない理由
p10 戦後のアメリカの主な軍事行動
p152 戦争が生んだ製品
社会実情データ図録より 戦争による死者数
社会実情データ図録より 第2次世界大戦各国戦没者数
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