213. ユニクロの柳井正社長 世界に向けて飛躍していく! ポーター賞受賞後にポーター博士との対談で

 2010年 1月 4日掲載  2014年 4月15日再掲


本日はユニクロが昨年2009年の「日本経営品質賞(ポーター賞)」に選ばれ、その受賞記念の柳井社長とポーター博士の対談が日経ビジネスオンラインの1月4日に掲載されていたので、その概要を大雑把ではあるが引用させていただくことにした。ポーター賞のサイトには授賞理由も記されている。

柳井社長は世界を見据えている。世界で「グローバルワン」となることを熱望している。この熱望が社員を引っ張り、成長させ、国内はもとより世界で成功する原動力になっているものと感じた。



日経ビジネスオンライン1月4日より部分引用

世界でポジションを取れ
【特別対談】マイケル・E・ポーター氏×柳井 正氏

不況の中、気を吐くユニクロ。2009年には一橋大学大学院が運営する「ポーター賞」を受賞した。柳井正社長と、戦略論のマイケル ポーター・米ハーバード大学経営大学院教授が初顔合わせ。2010年の会社経営について熱く語り合った。

以下、柳井正社長の話された部分の一部を引用。ポーター教授の部分は原文を参照ください。

当社は、業界の範疇にとどまるつもりはありません。消費者のお財布の中身は限られている。それを自動車会社が取るのか、アパレルが取るのか。より魅力的な商品を提供できた者が勝つのです。

日本人の感覚ではサービスは無料なのが当たり前です。だから、サービスこそが強みなのに収益源にできなかった。それに効率性という視点に欠ける。当社が株式を上場した時、社員には「IT(情報技術)産業並みの効率性を目指す」と宣言しました。

アパレル業界は通常、多品種少量生産で、かつ非常に小さなセグメントを狙う。効率的ではないですね。すべての企業がそのやり方でトレンドを追っている。一方、インテルやアップルは、万人に商品を売ろうとしている。僕らも世界中に売って、ユニクロをインテルやマイクロソフトのようなブランドにしたい。アパレルでもイノベーションで世界に貢献できることを示したい。“

我々は真のグローバル企業になりたい。グローバル市場は本当に成長しています。日本人は中途半端に豊かになったためか、最先端をやりさえすればいいという発想がある。それが今の行き詰まりにつながっているのでしょう。多くの日本企業は、世界で名前すら知られていません。言い換えれば、マーケティング能力が低い。伝えないものは知ってもらえない。我々は英国や中国などに自力で店舗を開いて、それを体で学びました。

素晴らしいものは1つしかないと考えます。欧州にはドレスの文化があり、米国はカジュアル文化がある。そして日本には、縫製で最先端の技術があります。つまり我々は欧米もアジアも理解できる立場なので、すべての市場で何が魅力的かを定義するうえで非常に有利なポジションにいる。ですから当社のスローガンは「グローバルワン」です。

ビジネスセンスが良く、起業家精神にあふれた人というのはやはり欧米に多いように思います。日本人は会社に忠誠心があるけれど、米国人は仕事に忠誠心がある。そういう人を探すのに、ポーター先生にご協力いただけるとうれしい。





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