247. レアメタルを全く使わないハイブリッド車用モーターを三菱電機が作成 レアメタルは急騰中!

 2010年 1月25日掲載  2014年 4月19日再掲


レアメタルは価格もさることながら、その入手先が問題である。ネオジム磁石用のネオジムの産出はそのほとんどが中国となっている。

まだ三菱電機のニュースリリースには、本内容に関する記載はないが、どのような構造のモーターであるか、興味があるところである。




ネオジム(Wikipediaより)

ネオジム(Neodymium) は原子番号 60 の金属元素。元素記号は Nd。漢字では?。希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。

ネオジムを含む希土類元素産出国は中華人民共和国で、約98%を誇る。近年、希土類元素の価格は、中華人民共和国の鉱物資源政策の変化により外国への輸出量が縮小され高騰している。



ジスプロシウム(Wikipediaより)

ジスプロシウム(Dysprosium、ディスプロシウムとも表記される)は原子番号 66 の元素。元素記号は Dy。希土類元素の一つ(ランタノイドにも属す)。

中性子吸収断面積が大きいので原子炉の制御用材料として利用される(→鉛または鉛、ガドリニウムとの合金)。光磁気ディスク(光メモリ)の材料や磁石、蓄光剤の添加剤としても利用される。他に伸縮合金にも使われる。

近年はネオジム磁石の保磁力を高めるための添加物としての利用が急増しており、安定供給の確保に懸念が生じているため、経済産業省の「希少金属代替材料開発プロジェクト」で2011年度までに使用量を現状から30%削減するための技術開発を目指すことになった。



NIKKEI NET 1月25日より

ハイブリッド車モーター、高価な希土類の使用ゼロ 三菱電機

 三菱電機は将来の調達難などが予想される希土類(レアアース)を使わずに、高出力自動車用モーターを開発した。電磁石を応用し、磁力を有効利用できる構造を突き止め、採用した。ハイブリッド車や電気自動車に搭載するモーターと同等の性能を引き出せる見通し。モーター価格の安定につながるという。2011年度までに技術的な課題を解決し、事業化の検討に入る。

 ハイブリッド車などに使う駆動用モーターは、回転体にある永久磁石と、固定部の電磁石を反発させて回転力を生む。強い磁力と耐熱性を発揮させるため、永久磁石には現在、ネオジムやディスプロシウムなどの希土類を使う。ネオジムの価格は1キログラムあたり20〜30ドル、ディスプロシウムは同150ドル前後で、使用量が数百グラムにものぼるため、自動車用モーターの価格を押し上げる要因になっている。開発したモーターは回転体にも電磁石を使う。回転体から磁気が漏れて回転力が弱まるのを回避するため、磁気の漏れやすい場所に酸化鉄を主成分とした安いフェライト磁石を配置して性能を高めた。



日本経済新聞 1月25日



文書リストに戻る ホームに戻る