254. 聖職者にだって罪はある? カトリック司祭ら5500人が互いにざんげ フィリピン

 2010年 1月28日掲載  2014年 4月19日再掲


すごいタイトルですね。もちろん神父も人間、大いに罪を持っていると思います。そもそも人間には原罪なるものがあります。これは、エデンの園において人類の始祖であるアダムとイヴが最初に犯したとされる罪、およびその罪が人間の本性を損ね、あるいは変えてしまったため、以来人間は神の救い・助けなしには克服し得ない罪への傾きを持つことになったという、キリスト教の多くの教派において共有される思想です。

この思想があるからこそ宗教の概念が構築されたのかもしれません。もし、人間が生まれ出たときにまったく罪のない存在であったとしたならば、成長に従って犯した罪は個人そのものに帰属するわけですから、刑法にかかるような罪(Crime)およびその他の罪(Sin)は個人の自己責任となり、神の関与する余地はなくなります。

生まれながらに罪深い人間であるからこそ罪を重ねる!? この解釈は間違っているでしょうか?

ともかく、そこに7つの秘跡(ひせき)をもって人間に祝福を与える神が出てきます。今ニュースになっているのは6.の「許しの秘跡」です。この許しは、カトリックでは神の代理人である神父にその付与権限が与えられています。

神父は間違いのない人という通念があり、神父自身が「告解」をするなどということは表立っては聞かれませんでしたが、そこは生身の人間。きっと多くの罪やよこしまな考えを抱いたことがあるでしょう。その思いが共有された結果、フィリッピン(東洋)において、神父同士が国会をするということになったのでしょう。

なお、カトリックで言う罪の中には、「私の罪をお許しください。そして私が知らずに犯した罪もお許しください。」と多くの知らない?罪も一緒に許されてしまうシステムです。

でもさすがに、間違いを認めない西欧諸国においては、私が思うに、このようなフィリッピンのような光景が見られるのは、もしあったとしてもはるか将来の話となるのではないでしょうか?

余談ながら、ここに並んだ7つの秘跡を全部受けることは不可能に近いと思います。6つまでは可能性がありますが、7つ目が難しいです。なぜなら3.婚姻の秘跡と4.叙階の秘跡が邪魔し合います。カトリックにおいて神父は男性かつ独身というのが絶対条件です。したがって、まず男である場合には、結婚するか神父になるかのどちらかの選択となり、6つの秘跡は受けられますが、7つ目は難しいとなるわけです。

女の場合には、こちらは結婚は手に入れられますが、叙階は無理でしょう。マザー・テレサもいましたが、このマザーが神父ファーザーに相当するものかどうかは私にはわかりません。

ところで、7つの秘跡を受ける方法が一つあります。それは、叙階を受けて神父になったのち、神父職を投げ打ち結婚して幸せな家庭を築くことです。冗談めかして言っていますが、案外このケースは多く存在するようです。この場合に、神のすべての愛情を一身に集めたという表現は正しいのでしょうか?



秘跡(Wikipediaより)

秘跡あるいは秘蹟(ひせき、ギリシア語:μυστηριον、ラテン語Sacramentum)とは、キリスト教において、神と人間とを仲介し、神の恵みを人間に与える儀式のこと。


七つの秘跡 ロヒール・ファン・デル・ウェイデン画 1448年日本では教派によって訳語が異なる。英語ではサクラメント。「秘跡」というのは日本のカトリック教会の訳語であり、他の教派では、正教会では「機密」(きみつ)、聖公会では「聖奠」(せいてん)、プロテスタントでは「礼典・聖礼典」(れいてん、せいれいてん)、などといい、意味も異なっていることがある。

カトリック教会が伝統的に認めてきた七つの秘跡は以下のとおりである。

1.洗礼
 キリスト教の入信に際して、全身を水に浸す、あるいはそれを模し簡略化した頭部に水を触れさせる儀式である。

2.聖体
  ミサや聖体礼儀で食するためにパンを聖別し、キリストの体の実体として信じられ、食べられるもの。

3.婚姻
 男女が夫婦になること。

4.叙階
 カトリック教会の秘跡の一つで聖職者を任命する儀式のこと。

5.堅信
 すでに洗礼をうけたものが一定期間の信仰生活を送ったあとで、自らの信仰を確かなものとして宣言する。

6.ゆるしの秘跡、あるいは「告解」
 罪の赦しを得るのに必要な儀礼や、告白といった行為をいう。

7.終油の秘跡
 かつては死を迎えようとするものに対してのみ行われたため、「終油(しゅうゆ)の秘蹟」といわれたが、第二バチカン公会議後の1972年に秘蹟の由来と本来的な意味の見直しが行われ、対象を臨終のものに限らず行われる「病者の塗油」という名前に改められた。




【1月28日 AFP】フィリピンのマニラ(Manila)で27日、ローマカトリック教会(Roman Catholic Church)の司祭数千人が一堂に会し、互いにざんげし合う機会が設けられた。カトリ……
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