毎日定置網にかかった3000〜10000匹もの大型クラゲを処理するための新兵器の開発に成功したとのニュースである。毎分5トン(1時間に300トン、約3m×10m×10m)の海水を吸い込んで、その中に漂うクラゲを10cmに裁断して定置網の外に排出する。
いままでこの排出作業を漁師の方々が手作業で行っておられたことを考えると格段の効率向上になるだろう。
それにしても、毎年、大型クラゲと闘いながらの漁業は、クラゲの排除とは別に、本来魚が受け取るべき栄養分がクラゲに回ってしまっていることも考え合わせると、二重に生産性が低下していることになる。
asahi.com 2月3日
吸い込み切断クラゲ駆除 深浦で実証実験
定置網漁業に大きな被害を与える大型クラゲの駆除機が開発され、漁業関係者らによる実証実験が2日、深浦町の深浦港であった。小型漁船に載せて運び使うことができ、海中に漂うクラゲを吸い込んで細かくカットし、定置網外に強制的に排出する。漁業関係者らからは「実用可能だ」と評価する声が上がった。
「大型クラゲクラッシャーポンプ」と名付けた。長さ約5メートルで、先端に直径約90センチの円錐(えん・すい)板を付け、中心にクラゲを切断する4枚刃と海水を引き込んで流す羽根を付けた。この部分だけで重さは114キロ。1分間に約5トンの海水をくみ上げて排出する能力があり、一気に数多くのクラゲを処理できる。
実証実験に加わった県漁連や県定置漁業協会、地元の深浦漁協の関係者らは、切断されたクラゲを回収しながら「10センチぐらいまで切断されるなら(そのまま海洋へ排出しても)網への影響は出ないだろう。処理のスピードも速い」と満足げ。地元の漁業の男性は「定置網にかかるクラゲは毎日2千〜3千匹。海がしけた場合は1万匹も網にかかっていることがある。これだとクラゲを処理するのは速い」と感心していた。
実証実験をした県定置漁業協会の西崎義三会長は「手作業での除去は3、4時間もかかる。定置網の海水面に浮くクラゲを手早く処理できれば、網の下部にいる魚をあまり傷めず、鮮度を保って水揚げできる」と評価した。
格は1台約250万円程度になるという。 |
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