塩分濃度差発電の原理が海洋エネルギー利用機構のホームページに動画で示されています。この動画で示される原理は、オランダのものとは少し異なるようです。
他に、潮流発電が示されています。これは海流の流れでプロペラを回して発電するものです。日本近海の一定の潮流や、明石海峡の速い潮流を利用すると多くの電力を発電できると考えられますが、日本では太陽電池と風力発電が表に出て、潮流発電は影が薄くなっています。しかし、潮流発電のための設備コストは、発電量当たり太陽電池の10分の1となかなかすぐれもののようです。
日本近海に多く眠っている潮流資源(含海水)の利用をもっと考えてもよいのではないでしょうか。
http://wirelessbroadband.seesaa.net/article/118133919.html
Wirelessbroadband 2009年04月26日
海水と淡水で塩分濃度差発電:オランダで実用化するか?
オランダのレーワールデン(Leeuwarden)市は、締切り大堤防(Afsluitdijk)の近くにあります。同市のWETSUS研究所では、海水と淡水の塩分濃度差を利用した発電を研究しています。
オランダの締切り大堤防(Afsluitdijk)は、ゾイデル海の一部を締切る全長30kmの堤防です。1922年に堤防が建設され、内側は淡水湖(アイセル湖)になっています。
WETSUS研究所では、持続可能な水利用技術の研究を行っており、研究テーマの一つが、塩分濃度差発電です。"Blue energy"と呼んでいます。
塩水と淡水の間を、塩素イオンのみを通す膜と、ナトリウムイオンのみを通す膜で仕切ると、塩素イオンの入った水、ナトリウムイオンの入った水ができます。この2つの水には電位差があるので、電池になります。つまり発電装置になります。
2020年までに、200メガワットの発電所を建設する計画です。完成すれば、オランダ北部の3つの州、30万世帯の電力をまかなえるはずです。
この発電方法は、淡水と海水が出会う場所ならどこでも使えます。例えば、毎秒2000立方メートルの流れがあるライン川では、理論的には5ギガワットの発電が可能です。
濃度差発電に利用する水量を全体の5分の1以下に抑えれば、環境への悪影響は避けられるとのこと。
課題は、イオン分離膜のコストです。Afsluitdijkダムの「膜発電所」の建設には何十億ユーロもかかるし、発電コストは化石燃料を利用する発電所の倍になります。
塩分濃度差発電の普及のカギは、イオン分離膜のコスト低下のようです。
海洋エネルギー利用推進機構
塩分濃度差発電
潮流発電
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