301. アメリカはトヨタ自動車を政治的に攻撃する必要がなくなった? トヨタ車リコールの本質は何であったのか?

 2010年 5月 9日掲載  2014年 5月 5日再掲


アメリカで"I'm sorry."と言えば全面的に私が悪いので、責任はすべて私がとりますという意味となる。豊田社長はそれをアメリカの公聴会で言った。

その最悪の事態に陥ったトヨタであるが、アメリカでの地位が復活してきているとの明るいニュースである。アメリカ経済にもリーマンショックからの復活が見え始めた。アメリカ国内の経済悪化をカムフラージュするために、一時的にでも日本製品(トヨタ自動車)に目を向けさせる必要が無くなったためかもしれない。

しかし、このニュースは4月30日付である。その後、ギリシャショックが米国株式を襲っている。

今後、このような事は頻繁に発生するに違いない。過去にも日本バッシングがあったように。

今回のトヨタ車のリコールは米国政府の関与により実施されたと考えるべきであろう。しかし、トヨタ以外にも同様の欠陥を持つアメリカ車もきっとあることと思う。トヨタだけが割を食ったように見えるが、過去の例をひも解くと、日本の技術はアメリカに打たれるたびに向上し、アメリカの製品を超えていった。きっと今回のリコールでも、何年か後には同じような結果となり、トヨタ車の評判がさらに上がることになるものと期待している。



President Online 4月30日 部分引用

なぜトヨタバッシングが収まったのか?

トヨタのアクセルペダルの問題は、今年に入ってから浮上したわけではない。ロサンゼルス・タイムズによれば、1999年にすでにアメリカ市場で報告されていた。以来、トヨタ車のアクセルペダル関連の事故は、累計で815件に上っている。

確かにことは、1月から2月にかけて、民主党主導の連邦議会、運輸省(オバマ政権)、民事訴訟を起こす弁護士たちが「トヨタバッシング」という渦を形成したことだ。ピークに達したのは、豊田社長が連邦下院の公聴会で証言した2月24日前後である。

しかし、たび重なるリコールがあっても、4月末にはアメリカ国内のトヨタバッシングは沈静化してきた。

なぜだろうか。

アメリカ国内に反トヨタの動きがあることは確かだが、同時にトヨタ擁護の勢力もあった。たとえば、ラジオのトークショー司会者ラッシュ・リンボー氏は、「現在GMのオーナーとなっているオバマ政権(GM株の61%を所有)が、(自国の自動車業界を守るため)トヨタを攻め立てたと見ていい。これはチンピラの政治である」とまで言った。

さらにワシントン・エグザミナー紙は社説でこう書いた。

「オバマ政権がGMとクライスラーを救済したので、両社のライバルであるトヨタを『シカゴの手口(アル・カポネ風の非情なやり方)』で犠牲にしたと考える方が自然だろう」




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