372. 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の動き急 クライメートゲート事件を乗り越えて復活の模様

 2010年 9月21日掲載  2014年 5月 5日再掲


クライメートゲート事件で昨年末に大きな痛手と信用失墜を負ったIPCCが再び力を盛り返してきているようだ。報告内容に多少の誤りはあったものの、大筋としては間違っていないとの趣旨のようである。

何が何でも地球は温暖化している。そういえば今年の夏は1000年に1度あるかないかの暑さだった。そんな他愛もない次元でこの問題は解決できるものとは思わない。賢者は歴史に学ぶの言葉通り、IPCCもコンピュータ・シミュレーションを駆使して、キリスト誕生の西暦元年より今日に至るまでの気候変動を確認してみてはどうだろうか。

もし、そのシミュレーション結果が歴史を説明できているなら、これからの100年間の気候変動について、大きな説得力が生まれるものと考える。



産経新聞 8月31日

IPCC、「抜本的改革が必要」 国際検証委が勧告

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の地球温暖化見通しに誤りが指摘された問題で、外部の専門家によって構成された国際検証委員会は30日、再発防止のため抜本的なIPCCの機構改革が必要だとの勧告を行った。

 勧告は、IPCCは異なる視点に十分な注意を払わなかったなどと問題点を挙げた上で、組織の透明性を高める必要があると指摘した。温暖化の議論全体については、「科学的に信頼できる」と語った。

 IPCCをめぐっては、気候変動問題への対処を促す世界的な機運につながった2007年の報告書の中で、「2035年までにヒマラヤの氷河が消滅する」など大きな反響を呼んだ複数の記述が誤りだったことが判明。国際機関としての信頼が大きく傷つくスキャンダルに発展し、国連は今年3月、検証委に調査を要請していた。




asahi.com 9月5日

ノーベル賞一転、弁明の日々 IPCCのパチャウリ議長

 3年前、ゴア米元副大統領と一緒に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の議長としてノーベル平和賞を受賞したエネルギー・環境問題の専門家パチャウリ氏は最近、公の場で弁解をすることが多くなった。

 理由はIPCCを巡る一連の疑惑だ。IPCCは世界から選ばれた気候変動の専門家の集まりだが、昨年11月、地球温暖化を誇張したとも受け取れる専門家間の電子メールが流出。パチャウリ氏が責任者としてまとめた2007年の評価報告書が、ヒマラヤ氷河の消失時期を早めて記述する誤りも見つかった。

 さらにパチャウリ氏が、出身国インドでエネルギー関連の国営企業の役員をしていることなどが、自分の利益のために研究内容が影響を受ける可能性がある「利益相反」に当たるとの指摘まで出た。

つづく



日本経済新聞 9月21日

IPCCの信頼性は揺らいでいない 日本の研究者有志が声明

地球温暖化に警鐘を鳴らしてきた国連組織、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書づくりにかかわってきた日本の研究者有志が「IPCC報告が不当に信頼性を疑われている」とする声明を9月末にも公表する。




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