381. 未知との遭遇 そのとき人々は? オイルショックでトイレットペーパーが店頭から消えた!

 2010年10月 3日掲載  2014年 5月 5日再掲


高度経済成長のさなか、その成長を支える原動力ともいえる石油の価格が急騰した。それによりパニックが起こり、石油製品とはかけ離れた紙製品が高騰したというもの。確かに、紙を製造するときにはエネルギーは使用するが、原料のパルプがなくなるということではないので、作られたか偶然に発生した一過性の騒ぎである。

生活に必需品であるトイレットペーパーがなくなると、どうして用を足してよいかが分からなくなった結果であろう。トイレットペーパーの代用品を得る方法などは探せばいくらでもあると考えられるが、そこまで思いが至らなくなっているのが渦中にいる人間の心理である。

トイレットペーパーが発明されていないときには、どのようにしていたのでしょうか? 年配の人に聞いてみれば、なるほどという答えが返ってくるかもしれませんね。



オイルショック(Wikipedia)

1973年(昭和48年)10月6日に第四次中東戦争が勃発。これを受け、10月16日に、石油輸出国機構(OPEC)に加盟のペルシア湾岸の産油6ヶ国が、原油公示価格を1バレル3.01ドルから5.12ドルへ70%引き上げることを発表、翌日10月17日には、アラブ石油輸出国機構(OAPEC)が、原油生産の段階的削減を決定した。またアラブ石油輸出国機構(OAPEC)諸国は10月20日以降、イスラエルが占領地から撤退するまでイスラエル支持国(アメリカ合衆国やオランダなど)への石油禁輸を相次いで決定した。さらに12月23日には、石油輸出国機構(OPEC)に加盟のペルシア湾岸の産油6ヶ国が、1974年(昭和49年)1月より原油価格を5.12ドルから11.65ドルへ引き上げる、と決定した。

トイレットペーパーや洗剤など、原油価格と直接関係のない物資の買占め騒動(トイレットペーパー騒動)、デパートのエスカレータの運転中止などの社会現象も発生した。



トイレットペーパー騒動(Wikipedia)

1973年10月16日、産油国が原油価格を70%引き上げることを決定したため、当時の通産大臣・中曽根康弘が「紙節約の呼びかけ」を10月19日に発表した。

このため、10月下旬には「紙がなくなる」という噂が流れはじめ、同年11月1日午後1時半ごろ、大阪府の千里ニュータウンの大丸ピーコックストアの宣伝用の特売広告に(激安の販売によって)「紙がなくなる!」と書いたところ、突然300人近い主婦の列ができ、2時間のうちにトイレットペーパー500個が売り切れたことから始まった。

その後に来店した客が広告の品物がないことに苦情をつけたため、店では特売品でないトイレットペーパーを並べたところ、それもたちまち売り切れ、噂を聞いた新聞社は「あっと言う間に値段は二倍」と書いたため、さらに騒ぎは大きくなった。





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