383. 未知との遭遇 そのとき人々は? 世界初のチューリップ・バブルが発生 球根1個が家1軒以上の価格に

 2010年10月 5日掲載  2014年 5月 5日再掲


約400年前に世界で初めて起こったとされるバブルである。この当時は、もちろんバブルという言葉もないし、バブルがどんなものであるかを知っている人もいなかった。

オランダと聞けば、一面に咲き誇るチューリップの花が思い浮かぶ。チューリップはオランダの国花である。ちなみに、日本の国家は桜と菊の2つ。

当時も品種改良によりどんどん新種のチューリップが作られていった。このチューリップの球根に高値が付いて行った。現代で考えれば、新種のランに高値がつくようなものである。

おそらく、価格などというものは相対評価であろう。今日でも製品の絶対価格などというものはない。電化製品などは、大型電気店を数点巡り歩き、一番安い店での購入を決める。素晴らしい機能を持った商品であれば、その商品が私たちの生活に与えてくれる価値(恩恵)によりその価格が決まってもおかしくはないが、実際にはそのようになっていないことはみんなが知っている。

チューリップ・バブルのときにも、球根の価格は相対評価されていたに違いない。昨日までの球根よりも少し価値がありそうな球根が出てきたら少し高い価格で買おう。この球根はみんながほしがるに違いないから明日には値段が上がるであろう。今までもそうであったから、明日にはきっともっと高く売れる。

つぎの3つの条件すべてがそろったときにバブルが発生すると思う。1.今までの延長線上での判断、2.まわりのみんなが同じことをしているという安心感、そして3.欲望。

ゆでガエル現象の真っただ中にいるのに、気づかなくなってしまっていることが問題の本質である。気づけば個人的にはバブルの被害をさせることができる可能性が高い。



チューリップ・バブル(Wikipedia)

チューリップ・バブル(蘭: Tulpenmanie、英: Tulip mania, Tulipomania、チューリップ狂時代とも)は、オランダで1637年に起こった世界最初のバブル経済事件である。オスマン帝国から輸入されたチューリップの球根に人気が集中し、異常な高値がついた。その後、価格は100分の1以下にまで下がり、オランダ諸都市は混乱に陥った。チューリップ・バブルは南海泡沫事件(イングランド)やミシシッピ計画(フランス)と並んで近世ヨーロッパの三大バブルに数えられる。

バブルをもたらした原因が何であるのか、いまもって明らかにされていない。後述するような民衆の狂気と貪欲さに求める偶発説や、このような価格の乱高下は日常的であったとする説などがある。オランダは当時、経済大国であったが、バブルの担い手となった民衆は貧しい暮らしにあえいでいた。




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