A02  信頼性設計



努力目標

  理屈を理解してから覚える

  信頼性を高めるには冗長化 並列にすれば信頼度が高くなる
  インターネットでは複数の経路が確保できるから必ずつながる




技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。

問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。

  技術士第一次試験の問題   



問題番号が赤字のものは、ボーナス問題

H21年 T−1−4




H21年 T−1−4

H21年度問題 

正答: B 

(解答)

「ディペンダビリティとは、アベイラビリティ性能及びこれに影響を与える要因、すなわち信頼性性能、保全性性能及び保全支援能力を記述するために用いられる包括的な用語である。」は誤り。
一般的な信頼性にとどまらず、たとえ一部が壊れても残りの部分でうまく働くといった自立的自己修復的な動作をさす概念である。

「フォールトの木解析(Fault Tree Analysis:FTA)とは、下位アイテム又は外部事象、若しくはこれらの組合せのフォールトモードのいずれが、定められたフォールトモードを発生させ得るかを決めるための、フォールトの木形式で表された解祈をいう。」は誤り。
故障・事故の発生頻度の分析のために、原因の潜在的な危険(フォールト)を論理的にたどり、それぞれの発生確率を加算し、基本的な事象が起こりうる確率を算出する。

冗長系とは、システムを構成する一部が故障してもシステム全体の機能が維持できるような系を呼び、代表的なものに、直列系、m/n冗長系、待機冗長系がある。

「フォールトモード・影響解析 (Failure Modes and Effects Analysis:FMEA)とは、あるアイテムにおいて、各下位アイテムに存在し得るフォールトモードの調査、並びにその他の下位アイテム及び元のアイテム、さらに、上位のアイテムの要求機能に対するフォールトモードの影響の決定を含む定性的な信頼性解析手法をいう。」は誤り。

FMEA(えふえむいーえー、: Failure Mode and Effect Analysis)は、故障・不具合の防止を目的とした、潜在的な故障の体系的な分析方法である。


(参考)

ディペンダビリティ(Wikipedia)

一般的な信頼性にとどまらず、たとえ一部が壊れても残りの部分でうまく働くといった自立的自己修復的な動作をさす概念である。

アベイラビリティ(Wikipedia)

システムが継続して稼働できる能力のこと。

RASIS(Wikipedia)

読み:レイシスもしくはラシス)はコンピュータシステムに関する以下の代表的な指標の頭文字を並べたもの:

特に最初の3つをRASという。RASやRASISは 機器、システムやコンピュータなどの総合的な評価の指標である。

信頼性(Reliability)の代表的な評価指標としてシステムが安定稼働し続ける平均時間である平均稼働時間(Mean Time Between Failures、MTBF)があげられ、保守性(Serviceability)の指標としてはシステムを修復するのにかかる平均時間である平均修理時間(Mean Time To Repair、MTTR)があげられる。

MTBFとMTTRから、システムにおける可用性(Availability)の指標である稼働率が導かれる:

フォールトの木解析(Wikipedia)

フォルトツリー解析
(フォルトツリーかいせき、: Fault Tree Analysis:FTA)とは、故障事故の分析手法。JIS Z8115:2000では、フォールトの木解析と定義されているが、故障の木解析ということもある。 

発生頻度の分析のために、原因の潜在的な危険(フォールト)を論理的にたどり(ここで言う「フォールト」とは、機器の故障やヒューマンエラー等のイベントを指す。)、それぞれの発生確率を加算し、基本的な事象が起こりうる確率を算出する。

なお、FTAは、望ましくない事象に対しその要因を探る、トップダウンの解析手法を特徴とする。これは、類似のFMEA(故障モード影響解析)とは逆のアプローチになる。

 


フォールトモード・影響系解析(Wikipedia)

FMEAFailure Mode and Effect Analysis)は、故障不具合の防止を目的とした、潜在的な故障の体系的な分析方法である。

FMEA(意味:故障モードとその影響の解析)は、「設計の不完全や潜在的な欠点を見出すために構成要素の故障モードとその上位アイテムへの影響を解析する技法」である。

フォルトツリー解析
(Fault Tree Analysis)FTAトップダウン手法であるのに対し、FMEAはボトムアップ手法という違いがある。FMEAは, FTA,HAZOP, デザインレビューとともにIECの国際規格になっている。


(関連)

この試験問題とは直接は関連していませんが、

フェイルセーフ(Wikipedia)
フェールセーフとは、なんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全側に制御すること。またはそうなるような設計手法で信頼性設計のひとつ。これは装置やシステムが『必ず故障する』ということを前提にしたものである。

フェイルソフト(Wikipedia)
フェイルソフトフェールソフト)とは、故障箇所を切り離すなど被害を最小限に抑え、機能低下を許しても、システムを完全には停止させずに機能を維持した状態で処理を続行(縮退運転)する設計のこと。これは信頼性設計の一つである。


(問題に戻って)

設問の間違いがある部分は冗長系を論じた(ウ)の「直列系」で、正しくは「並列系」である。


冗長化(Wikipedia)

冗長化(じょうちょうか)とは、システムの一部に何らかの障害が発生した場合に備えて、障害発生後でもシステム全体の機能を維持し続けられるように、予備装置を平常時からバックアップとして配置し運用しておくこと。

常に実用稼動が可能な状態を保ち、使用しているシステムに障害が生じたときに瞬時に切り替えることが可能な仕組みを持つ。障害によってシステムが本来の機能を失うと、人命や財産が失われたり、企業活動が大きな打撃を受けるような場合には、冗長性設計が必須となっている。



  左からシステムA、B、C、D
  システムBが並列系で冗長化されている。




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