A23  地震と破壊



努力目標

  理解する




技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。

問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。

  技術士第一次試験の問題    



問題番号が赤字のものは、ボーナス問題

H22年 T−1−4   H19年 T−1−3




H22年 T−1−4 

正答: C 

(解答)

建物に免震支承や減衰装置を設置することで、建物の被害を軽減できる。

既設鉄筋コンクリート柱の耐震性は、鋼板や繊維シートを巻きつけて密着させることで向上する。
山陽新幹線の橋脚補強などで行われています。

柔らかい地盤では地震動が増幅し、建物の被害が増大することがある。
阪神大震災で、地盤が軟らかいところで液状化現象が起こり大きな被害を出しました。

「兵庫県南部地震の被災事例から、曲げ破壊をせん断破壊より先に生じさせないようにすることは、鉄筋コンクリート柱の耐震性を高めるとされている。」は誤り。
せん断破壊が起こると建造物に大きなダメージをもたらすため、「せん断破壊を曲げ破壊より先に生じさせないようにする」。
鉄筋コンクリートの鉄筋が消失するということは、建物をコンクリート柱のみで支えているということです。

建物における筋かいの設置は、耐震補強の一つの方法である。


(参考)

液状化現象(Wikipedia)

地震の際に、地下水位の高い地盤振動により液体状になる現象。これにより比重の大きい構造物が埋もれ、倒れたり、地中の比重の小さい構造物(下水管等)が浮き上がったりする。



H19年 T−1−3 

正答: D

(解答)

説明図にあるように、地震の振動により長方形の枠組みは左右に揺さぶられ、台形へと変化します。図は枠組みが右に押す力を受けた(実際には地面が左に移動するのですが)状態を示しています。

AとDの間の距離が伸びてその中間部分に我が生じます。一方、BとCの間では距離が縮まり、中央部分に盛り上がりが生じます。

枠組みがこれとは反対方向にゆがんだ時には、割れと盛り上がりはそれぞれ逆となり、この割れ、盛り上がりが地震の期間中に繰り返すことにより、正解図のような状態に至ります。

説明図 正解図




                問題一覧表へ戻る