C01  材料の負荷変形 ヤング率



努力目標

  理解する




技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。

問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。

  技術士第一次試験の問題    



問題番号が赤字のものは、ボーナス問題

H28年 Ⅰ-3-6   H27年 Ⅰ-3-5   H26年 Ⅰ-3-6

H25年 Ⅰ-3-5   H24年 Ⅰ-3-5   H22年 Ⅰ-3-5

H21年 Ⅰ-3-3   H19年 Ⅰ-3-1   H19年 Ⅰ-3-3

H18年 Ⅰ-3-5   H17年 Ⅰ-3-5   H16年 Ⅰ-3-2

同じ問題

H27年 Ⅰ-3-5 と H19年 Ⅰ-3-3


H26年 Ⅰ-3-6 と H24年 Ⅰ-3-5

H21年 Ⅰ-3-3 と H17年 Ⅰ-3-5



σ=F/S=E・ΔL/Lの式と、
1N=1kg・m/s、および1Pa=1N/m=1kg/(m・s
がわかっていればすべて解ける、簡単な問題群です。



H28年 Ⅰ-3-6 

正答: ④

(解答)

ヤング率の定義から考えるとすぐに解ける問題である。

σ=F/A=E・ΔL/L  但し、力Fが断面積Aにかかる。
棒Aおよび棒Bの添字をほどこし、両者でΔL/Lが等しいことを考慮すれば、解答が得られる。

 σa/Eab/Eb

従って、σab=Ea/Eb

(注意)応力とは、単位面積あたりの力をいいます。



H27年 Ⅰ-3-5

正答: ③

(解答)

長さL、断面積Sの棒に力Fが加わったときの棒の伸びをΔL、ヤング率をEとすると、

    F/S=E・ΔL/L

の関係となる。
問題では長さLの棒の中点にPの力が加わる。その時の中点の変位(左側は伸び、右側は縮み)がδである。

    AB間の伸び    P/S=Eδ/(L/2)
    BC間の縮み    P/S=Eδ/(L/2)

両式を加え合わせると

    (P+P)/S=Eδ/(L/2)+Eδ/(L/2)

AC間全体ではPの力が加わったので、P+P=P。 これを代入して式を変形すると

    δ=PL/(2S(E+E))



H22年 Ⅰ-3-5 

正答: ②

(解答)

    ΔL=FL/(SE)
      =1000(kg・m・s)×1m/(100×10-6(m)×100×10(kg・(m・s))
      =10-4
      =0.1mm



H26年 1-3-6

正答: ② 

C点がさらにB点の近くまで近づいたときを想定すると、AC間に大きな引っ張り力が働き、BC間の圧縮は抑えられることが分かります。

(解答)

    F/S=E・ΔL/L

AC間の伸び

    P/S=E・ΔL/(L/3)

BC間の縮み

    P/S=E・ΔL/(2L/3)

AB間の長さLは変わらないから

    ΔL=ΔL

これより

    P=2P

また、P+P=Pであるから、

    P=2P/3、 P=P/3

反力としているので、この反対向きのマイナスが付く。



H25年 Ⅰ-3-5

正答: ②

(解答)

P/A=E・δ/LよりP=AE・δ/L

エネルギー=力×距離

     U=∫Pdδ=AE/L{1/2・δ}(δ=0 to δ)=AEδ/(2L)



H21年 Ⅰ-3-3

正答: ⑤

(解答)

    F/S=E・ΔL/L
    S=π(D/2)

従って

    F=SE・ΔL/L=π(D/2)Eu/L   (ΔL=u)

蓄えられるエネルギー

     =∫Fdu=πDE/(4L)×∫udu=πDE/(4L)×[u/2](u=0 to u)=πDEu/(8L)



H19年 Ⅰ-3-1

正答: ④
 
(解答)

F/S=E・ΔL/Lの変位ΔLが一番小さくなるのはどれかとの出題である。

前提条件はFが一定。式を書き直すと

    ΔL=FL/(SE)= (ただし、F=一定)

① Lを2倍にすると変位も2倍となる。
② Eを2倍にすると変位は1/2倍となる。
③ Eを1/2倍にすると変位は2倍となる。
④ 肉厚を2倍とするとSが約2倍強となり変位は1/2より小さくなる。
⑤ 内径を2倍とするとSが約2倍強となり変位は1/2より小さくなる。

④と⑤のどちらのSが大きいかで答えが決まる。
④の面積をS、⑤の面積をSとし、参考までに、最初の面積Sも計算する。

    S=π(D/2+t)-π(D/2)=π(Dt+t
    S=π(D/2+2t)-π(D/2)=π(2Dt+4t
    S=π(D+t)-πD=π(2Dt+t

大小関係を比較する。

    S-S=π(2Dt+4t-2Dt-t)=3πt>0

従って、④の変位が一番小さく、ΔL=FL/SEである。
最初の状態と比較すると、その伸びはS/S倍、すなわち、1/2×(D+t)/(D+2t)倍と、1/2以下となった。



H18年 Ⅰ-3-5

正答: ① 

円周方向に受ける応力σの算出は、力のベクトルの合成のため、積分が必要になってきます。

(解答)

軸方向の応力σ

胴がz方向に受ける力Fは、片方の蓋に圧力がかかると考え
 片方(下側)の蓋が、蓋ではなく頑丈な金属台であり、 その上に胴が垂直に付着し、その上端に蓋がついていると考えると、 上の蓋にかかった力(圧力×面積)が胴方向の応力の源となります。

 F=πr×p

この力を受ける断面積Sは

 S=2πr×t

従って応力σ

 σz=F/S=pr/2t

胴が円周方向に受ける応力σθは、下に示す(参考)より

 σθ=pr/t


(参考)

薄肉・厚肉円筒殻/球殻より引用







H17年 Ⅰ-3-6

正答: ②

(解答)

上に示したH18年 Ⅰ-3-5の結果より、圧力容器の計方向の応力σθは、

    σθ=pr/t (pは圧力、rは内半径、tは肉厚)

この式はヤング率に関係していないので、圧力容器が円周方向に受ける応力は変化しない。
従って、③~⑤は正解の候補から外れる。

ヤング率の基本公式は

    σ=F/A=E×(ΔL/L)

ヤング率に大きな値を入れてしまったことは、ΔLが同じであれば応力σが大きくなり、応力σが同じであれば変位(径変化量)ΔLが小さくなる。

従って、②が正解となる。



H17年 Ⅰ-3-5

正答: ③

(解答)

H25年 Ⅰ-3-5の結果を利用する。

ひずみのエネルギー

    U=AEδ/(2L)

    δ=PL/(AE) を代入して

    U=AE/(2L)・(PL/AE)=PL/(2AE)



H16年 Ⅰ-3-2

正答: ②

(解答)

    ΔL=1m×1×10-5(/K)×100(K)=1×10-3
    F=SE・ΔL/L=0.1(m)×2.0×10M(kg/(m・s))×1×10-3(m)/1(m)=20MN

    棒が熱膨張で伸びようとしたところを、その伸びが抑制されたので、受ける力は圧縮応力。
    断面積に掛かる応力は、20MN/0.1m=200MN/m=200MPa。




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