D03  計算問題



この問題の努力目標

  理解する




技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。

問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。

  技術士第一次試験の問題      



問題番号が赤字のものは、ボーナス問題

H27年 Ⅰ-4-2   H27年 Ⅰ-4-3
   H26年 Ⅰ-4-2




H27年 Ⅰ-4-3

正答: ⑤

(解答)

原子量とは、原子がアボガドロ数6.02×1023個集まった時の質量(g)である。この数の原子が集まればアルミニウムならば27.0g、銅ならば63.5gである。at%はatom%の略で、合金中に含まれる原子数の%を意味している。従って

  アルミニウム(at%):銅(at%)
 =アルミニウム(wt%)/アルミニウムの原子量:銅(wt%)/銅の原子量
 =96.0/27.0:4.00/63.5
 =3.55555:0.06299
 =98.26:1.74


(参考)

ジュラルミン(Wikipedia)

合金を構成するアルミニウム以外の金属の割合は以下の通りである。
  • ジュラルミン
    • 銅 - 約4%
    • マグネシウム - 0.5%
    • マンガン - 0.5%
  • 超ジュラルミン
    • 銅 - 4.5%
    • マグネシウム - 1.5%
  • 超々ジュラルミン
    • 亜鉛 - 5.5%
    • マグネシウム - 2.5%
    • 銅 - 1.6%



H27年 Ⅰ-4-2 

正答: ③ 

(解答)

原子の持つ酸化数をH=+1、O=-2として計算する。酸化数とは原子の周りの電子の過不足を表す指標である。例えば、水(HO)であれば、Hが2個(2×(+1))、Oが1個(1×(-2))であるから、HO分子としては、2×(+1)+1×(-2)=0となり、電気的に中和されている計算となる。酸化とは電子が持って行かれること、プラスのチャージが増えることをいう。従って、酸化が進むほど酸化数の値は大きくなっていく。

そこで問題に戻って、求めたい原子の酸化数を?として計算する。

① H      1×(+1)+?+3×(-2)=0      ?=+5
② Cr2-    2×?+7×(-2)=-2         ?=+6
③ Mn     ?+4×(-2)=-1            ?=+7
④        ?+2×(-2)=0              ?=+4
⑤ H     2×(+1)+?+4×(-2)=0      ?=+6



H26年 Ⅰ-4-2

正答: ② 

(解答)

これは濃度の定義を問う問題です。

1容量モル濃度(モル/リットル)ならば溶液1リットル中に含まれる溶質の物質量が1モルということです。

具体的には、砂糖(C122211、MW=342)1モルは342g、これを水を加えて溶かし1リットルの溶液にすると1容量モル濃度の溶液が調整できます。今の場合、砂糖が溶質、水が溶媒です。

②は、砂糖1モルに水1リットルを加えますから、溶液の濃度は1容量モル濃度以下となります。(砂糖1モル+水1リットル>1リットル)


以下に種々の溶液濃度の作り方を示しています。

1質量モル濃度の砂糖水を調整するためには、砂糖342gをビーカーに入れ、そこに水1000gを加えて溶かす。

1容量モル濃度の砂糖水1リットルを調整するためには、砂糖342gをビーカーに入れ、そこに水を加えて1リットルとする。

10質量パーセント濃度の砂糖水1kgを調整するためには、砂糖100gをビーカーに入れ、900gの水を加えて溶かす。

0.01モル分率の砂糖水を調整するためには、砂糖34.2gをビーカーに入れ、178.2gの水を加えて溶かす。
  砂糖のモル数=34.2g/342g=0.10モル。水のモル数=178.2g/18g=9.90モル。
  砂糖のモル分率=0.10/(0.10+9.90)=1モル%

1ppmの砂糖水を調整するためには、砂糖1mgを1リットルのメスフラスコに入れ、水を加えて溶かし、全量が1リットルになるようにする。
  1wt-ppmである。




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