D10 材料と放射線 この問題の努力目標 覚える 技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。 問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。 技術士第一次試験の問題 問題番号が赤字のものは、ボーナス問題 H23年 Ⅰ-4-3 H23年 Ⅰ-4-3 正答: ④ (解答) 「ガンマ(γ)線の遮蔽には加工性の良い鉛がよく用いられるが、遮蔽効果は同じ厚さの密度2.35g/cm3のコンクリート(普通コンクリートと同等の密度)の方が高い。」は誤り。 遮蔽効果は鉛の方が高い。 材料に放射線を照射すると、力学特性や電気特性が変化することがある。 アルファ(α)線、ベータ(β)線はそれぞれヘリウム原子核、電子の流れであり、アルファ線の方が材料に対する電離作用が強いが透過力は小さい。 「ベータ(β)線、ガンマ(γ)線はそれぞれ中性子、電子の流れであり、ベータ線は電離作用が特に強く、材料や生体-の影響が大きい。」は誤り。 ベータ線は電子の流れで、ガンマ線は電磁波。電離作用が強いのはアルファ線。 (参考) アルファ線(Wikipedia) アルファ粒子は、高い運動エネルギーを持つヘリウム4の原子核である。陽子2個と中性子2個からなる。 電離作用が強いので透過力は小さく、紙や数cmの空気層で止められる。しかし、その電離作用の強さのため、アルファ線を出す物質を体内に取り込んだ場合の内部被曝には十分注意しなければならない。 ベータ線(Wikipedia) ベータ粒子は、放射線の一種で、その実体は電子または陽電子である。ベータ粒子の流れを、ベータ線と呼ぶ。普通「ベータ線」という場合は、負電荷を持った電子の流れを指す。 透過力は弱く、通常は数 mm のアルミ板や 1 cm 程度のプラスチック板で十分遮蔽できる。ただし、ベータ粒子が遮蔽物によって減速する際には制動放射によりX線が発生するため、その発生したX線についての遮蔽も必要となる。 遮蔽物に使われる物質の原子番号が大きくなるほど制動放射が強くなることから、ベータ線の遮蔽にはプラスティックなどの低原子番号の物質を使い、そこで発生したX線を鉛などの高原子番号の物質で遮蔽する、という二段構えの遮蔽を行う。
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