D16 代謝
この問題の努力目標
覚える
技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。
問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。
技術士第一次試験の問題
問題番号が赤字のものは、ボーナス問題
酵母菌による代謝
H25年 Ⅰ-4-6 H22年 Ⅰ-4-5
同じ問題
H25年 Ⅰ-4-6 と H22年 Ⅰ-4-5
エネルギー代謝
H16年 Ⅰ-4-6
酵母菌による代謝
H25年 Ⅰ-4-6
正答: ③
(解答)
与えられた反応式に係数を掛ける。
好気呼吸×0.5
0.5C6H12O6+3O2+3H2O→3CO2+6H2O
エタノール発酵×2
2C6H12O6→4C2H5OH+4CO2
合計
2.5C6H12O6+3O2+3H2O→4C2H5OH+7CO2+6H2O
消費されたグルコースの量は、好気呼吸:エタノール発酵=1:4
エネルギー代謝
H16年 Ⅰ-4-6
正答: ①
(解答)
細胞内の呼吸は有機物の分解、すなわち異化の過程で行われる。異化には酸素を必要とする場合としない場合があり、したがって異化代謝は酸素を利用する好気的代謝と酸素を利用しない嫌気的代謝に大別される。
好気的代謝においては有機物は酸素を消費しながら水と二酸化炭素に分解され、その過程で生体のエネルギー源アデノシン5’-三リン酸(ATP)が合成される。嫌気的代謝の代表例は解糖と大部分の発酵である。
微生物の働きによって糖分が分解されアルコールや乳酸などに変化する現象を発酵という。
発酵はいくつもの酵素によって進められる生体内反応である。
解糖についてはグリコーゲンの成分であるグルコースがピルビン酸に分解する過程まで発酵と共通で酸素を必要としない。
(参考)
解糖系(役立つ薬の情報 専門薬学)より
全ての哺乳類は糖(グルコース)を解糖系で代謝しピルビン酸か乳酸を生成する。もし、酸素が存在しないならば最終産物は乳酸のみである。酸素が存在するならばピルビン酸は代謝されアセチルCoAとなる。
解糖系は酸素が存在しなくても反応は進むが、クエン酸回路の反応は進まない。これは電子伝達系の反応の最後にO2が必要になるためであり、酸素がないと反応が完了しないためである。
解糖系の反応は細胞質基質で発生する。クエン酸経路はミトコンドリア内にあるため、解糖系で産出したピルビン酸を利用する場合、ピルビン酸をミトコンドリア内に輸送しなければならない。
解糖系の反応はグルコースから反応が始まり、ピルビン酸を経由して乳酸を生成する。
glucose→→→ピルビン酸→乳酸
なお、グルコースの炭素数は6で乳酸の炭素数は3である。つまり、グルコース1個が解糖系に入り乳酸に変化すると乳酸は2個できる。
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