D19 化学史 この問題の努力目標 覚える 技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。 問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。 技術士第一次試験の問題 問題番号が赤字のものは、ボーナス問題 H16年 Ⅰ-4-2 H16年 Ⅰ-4-2 正答: ① (解答) 日本では大和朝廷以前から水銀鉱山が発掘され、水銀が利用されていたと考えられ、その後、奈良の大仏を建造する時にも水銀が使われた。 丹上という地名が多く残っている。丹生とは辰砂(HgS)を産した地である。奈良の大仏建造時には、金をアマルガムとして大仏表面に塗布し、その後、水銀を加熱蒸発して取り除くことにより金鍍金を施した。なお、金が水銀に溶けていく様子を金が滅するとして鍍金(めっき)と名づけられたとある。 辰砂(Wikipedia) 硫化水銀(II) + 酸素 → 水銀 + 二酸化硫黄 HgS+O2→Hg+SO2 HgSは押印用朱肉の色素としても用いられる。 「人類で最初に合成プラスチックを作った研究者はアメリカのベークランドであったが、彼はドイツの有機合成化学の成果を応用して、次々と新しいプラスチックを生み出し、その一つのポリエチレンは第二次世界大戦で多く使用された。」は誤り。 レオ・ベークランド(Wikipedia)が作り出したのは、ベークライト(1907年)である。 ライト(lite)は、たとえばZeolite(ゼオライト)などの鉱物の接尾語として用います。ベークライトはベークランドの作った硬い石のようなプラスチックといったところでしょうか。 「地球が誕生した時からウラン235と238は同じ比率でウラン鉱石の中に閉じ込められていたので、自然界にあるウランが自然に核分裂したことはない。」は誤り。 地熱(Wikipedia) 地球内部で発生する熱の大半は、天然放射性元素が崩壊する時の熱に由来する。地熱の45から85パーセントは地殻に含まれる元素の放射性崩壊から発生している。 地球の年齢(Wikipedia)には、古来より多くの人が地球の年齢を算出してきたが、得られた年齢は非常に若いものであった。この原因は、地球内部での核分裂反応で生じる熱を考慮していないことによるものであったと記されている。 「古代エジプトは古王国時代から周辺の地域に比較して格段に技術が発達していたが、特に優れた鉄器を作り出し、鉄製の武器を使用してヒッタイトなどの周辺諸国を征服した。」は誤り。 ヒッタイト(Wikipedia) 紀元前1680年頃、クズルウルマック("赤い河"の意)周辺にヒッタイト古王国を建国し、後にメソポタミアなどを征服した。他の民族が青銅器しか作れなかった時代に、高度な製鉄技術によりメソポタミアを征服した。 「「スズペスト」とは中世ヨーロッパで蔓延した疫病の名前で、スズが原因して疫病が蔓延し、数千万人の犠牲者をだしたことがある。」は誤り。 スズペスト(Wikipedia) スズペスト(Tin pest)とは、スズが低温における同素変態によって強度が低下し、徐々に破壊されていく現象のことである。 |