説明資料 10 |
混触危険についての説明をする。スライド1は消防法の危険物分類である。危険性の特徴ごとに第1類から第6類にまで分けられ、どの類とどの類の混合が危険であるかを示している。 具体的な各類の化合物例は危険物(Wikipedia)に示されているが、例えばその一例としては、第1類の酸化性固体では塩素酸カリウム、第2類の可燃性固体では赤リンが挙げられる。塩素酸カリウムと赤リンの混合は不可ということである。 この組み合わせはマッチの発火の原理であり、マッチ棒の頭には塩素酸カリウムが含まれ、マッチ箱の擦り板には赤リンが塗ってある。この両者がこすれあうと発火が起こる。実際に塩素酸カリウムと赤リンの少量ずつを軽く混合するだけでも、大音響とともに爆発が起こるので、この組み合わせは極めて危険である。 混触危険により起こった事故の一例としてヒンデンブルグ号の事故が記されている。スライド2である。酸化鉄は消防法の第1類化合物ではないが、対するアルミニウムが強い可燃性(還元性)を有するので、混合して着火すれば継続的に燃焼する。テルミットである。ヒンデンブルグ号の外壁にはこのような組み合わせの顔料が塗られていた。 LZ129飛行船(ヒンデンブルグ号、Wikipedia) ヒンデンブルクの構造材はジュラルミン製で、全長に沿って15枚の大観覧車のような隔壁が取りつけられていた。そしてそれにはさまれて16個の木綿製のガス嚢が置かれた。各隔壁はその外周に置かれる縦の桁によって強化されていた。飛行船の外皮は、紫外線から気嚢を保護するためと、オーバーヒートの原因となる赤外線から守るためにドープを塗った木綿でできていた。しかし、使われた薬品はアルミニウムと酸化鉄の混合で、激しく熱せられるといわゆる「テルミット反応」を起こすものであった。 さらに興味本位ではあるが同じWikipediaの英語版より、水素ガス嚢は次のように作られていた。 The gas cells were made by a new method pioneered by Goodyear using multiple layers of gelatinized latex rather than the previous goldbeater's skins. 参考までにテルミットはこの他にも多くの種類がある。テルミット法(Wikipedia)より、
|
スライド一覧に戻る |