説明資料 5 |
ガス爆発という言葉はよく耳にする。空気に可燃性ガスがどのくらい混ざれば爆発が起こるのか。今回のスライドではその説明をする。 スライド1枚目の左の表には爆発範囲が記されている。空気-可燃性ガス混合ガス中の可燃性ガス成分の濃度が下限値以上、上限値以下の範囲となったとき、着火源があれば爆発に至る。右図は水素を例にその範囲を三角図で示している。この三角図の左尺は空気-水素混合ガス中の水素の割合(vol%)を表している。水素の下限4%、そして上限75%が爆発範囲である。 三角図の右下端にはN2またはCO2と記されている。これは、空気-水素-不活性ガス(窒素または二酸化炭素)の混合ガスの爆発範囲をこの三角図上で表現するための工夫である。左尺と曲線で囲まれた領域が爆発範囲で、その範囲が広いほうが混合ガスに窒素を加えた場合、狭いほうが二酸化炭素を加えた場合である。三角図のどの一点をとっても、各成分の合計は100vol%となるようになっている。 再度、スライド1枚目の表を見ていただきたい。可燃性物質の種類により下限界のvol%は種々変化するが、これを下限界g/m3と可燃ガスの重量濃度g/m3で見た場合、水素以外ではその値が約30~40g/m3とほぼ一定値になっている。また、右図では、ガス混合物に窒素や二酸化炭素を加えていっても、その爆発下限界に変化がない(爆発範囲の下限界は三角図の下辺に平行)ことを示している。 説明資料4において、爆発と爆轟の説明をした。爆発範囲についてはその範囲はわかったが、果たしてこの混合ガスは爆轟に至るのかを知りたいところである。スライド1枚目の右図において爆鳴気(爆轟線)を赤色の直線で引いている。この線は、水素と酸素の反応であればそのモル比率が2:1であり、最も激しく反応が起こる点(線)である。もしも、混合ガスに爆轟が起こるとするならばこの点(線)を中心とした範囲である。 その範囲を示しているのがスライド2枚目である。爆轟範囲が示されている。この表で特徴的なことは、空気-水素混合ガスの着火エネルギーが極めて小さなこと、そして空気に換えて酸素を用いた場合、すなわち酸素-可燃性ガスの混合ガスとした場合、可燃性ガスの爆発下限界濃度は空気-可燃性ガスの場合とほぼ同じであるということである。 スライドの3枚目には、複数の可燃性ガスよりなる混合ガスが、空気とまじりあった場合の爆発限界を求める計算式が示されている。e-learning(1分36秒)となっている。都市ガスはメタンを主成分とし、副成分としてエタンやプロパンが含まれるので、その爆発範囲は純粋なメタンよりも広く狭くなっている(スライド1枚目)。 ガス爆発に関しては、説明資料7の炭鉱重大災害一覧と、説明資料8の福島第一原子力発電所の水素爆発(爆轟)で触れる。 |
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