姫路藩領の大庄屋組
(加古川市史、 第二巻、 p273−274)


 村の庄屋・名主

機能

 村請制村落の下で年貢諸役や行政的な業務を村請する下請けなどを中心に、村民の法令遵守・上意下達・人別支配・土地の管理などの支配に関わる諸業務を下請けした。社会の支配機構の末端機関に奉仕する立場上、年貢の減免など、村民の請願を奉上する御役目もあった。このような村民側に位置する機能を「惣代機能」と呼ぶ。このように支配階級の末端としての面と被支配階級の代表者としての面を共に持つのが庄屋であり、かかる蝙蝠的性格が近世を通じて庄屋・名主の立場を曖昧なものとし、その社会的機能を不明朗なものとした。

 用水路など土木工事を発注し監督もした。

 基本的に豪農・富農・大地主など、村の有力者が庄屋となった。

 身分としては百姓ではあるものの、一般農民よりは一段高い階層に属し、その屋敷を構えたり、母屋に式台を設けることができ、着衣や履物にも特例が許されていた(絹物や雪駄の着用)。 日常業務を自宅で行い、庄屋宅には組頭等の村役人が集まり、年貢・村入用の割当てをしたり、領主から命ぜられる諸帳簿や、村より領主への願書類等の作成に当った。

 ほとんどの公文書には庄屋の署名・捺印が必要とされ、村人相互の土地移動(主として質地)にも庄屋の証印が必要とする場合が多く、それゆえ最低限の読み書き算盤の能力は必要だった。

選出方法と役給

 庄屋・名主の選出方法は、個々の村々の慣習に委ねられることが多い。(1)代々同じ家が就任する世襲名主制、(2)一年ごとに交代する年番名主制、(3)その中間型(世襲ではないがある者が複数年務める形)の3つがあった。また、庄屋・名主の選出には、村民による「入札」(いれふだ)と呼ばれる選挙が実施される場合もあった。そのあり方は、地域差があるばかりではなく、同じ地域内でも村ごとに多様である。

 役職を務めることによって得られる役給は、(1)領主から支給される場合、(2)「村入用」と呼ばれる村の財政から支給される場合、(3)「役給田」などと決められた土地が支給される場合の3つがあった。そのあり方は、地域差があるばかりではなく、同じ地域内でも村ごとに多様である。

大庄屋

 庄屋・名主と異なり、数か村から10数か村の範囲を管轄する大庄屋という役職が置かれた場合もある。

 庄屋(Wikipedia)より抜粋





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